倉庫改善を行いたいという経営者の方が多数いらっしゃいます。しかしどこに手をつけたら最も改善が進むのかについて悩まれている方も多くいらっしゃいます。
では自社の倉庫のどこを見たら改善ネタがみつかるのか。その視点としてまずは次の二つに分解してみましょう。
①倉庫内充填率
②倉庫内作業の生産性
この二つの内、今回は①について見ていきます。
倉庫内充填率とは、倉庫の全体容積に占める保管荷物の容積の総和です。この値が高ければ高いほど倉庫スペースを有効活用しているということがわかるのです。
しかし倉庫内では保管スペース以外に必ず必要なスペースがあります。それは次のようなスペースです。
・ 通路
・ 荷捌きエリア
・ 梱包作業場
・ 事務所スペース
・ 休憩所
そこでいかにこれらのスペースを小さく確保し、保管スペースを大きくとるかが重要なポイントになってくるのです。
この中でも最も多くのスペースをとるのが「通路」です。倉庫内ではフォークリフトを使うことがほとんどなので、フォークリフトが回転できるスペースとして4m通路を確保しようと考えるからです。
しかしこれでは倉庫内が通路だらけになってしまいます。フォークリフトはリーチタイプ仕様に変更することで2.5m幅の通路へと変更しましょう。これがスペース改善への足がかりとなります。
次に「高さ」の有効活用です。せっかく平面スペース上ではそこそこの充足率になったとしても、高さ的には不十分、つまり上方に大きな空間=ムダスペースができてしまっている倉庫を多々見かけます。
安全を確保した上で、ラックなどを活用し、この上方に存在する空きスペースを有効に使っていくことが倉庫内充填率を向上する最大の改善アイテムになるのです。
この倉庫内充填率を一つのKPIとして設定し、この値が向上する改善活動に取り組んでいくことが倉庫改善には必要だと言えるのです。