物流業界で今一つ浸透しきれていないのが5S活動です。製造業では5Sがすべての基本となっている感がありますが、物流業ではなぜ進まないのでしょうか。
物流業では荷主の荷物を預かり、指示のもと出庫を行い指定場所まで届けることになります。荷主会社はあまり委託先である倉庫を訪問することがないのかもしれませんが、もし訪問する機会があったとしたら今の倉庫の5S状況で満足できるかどうか確認してみるとよいでしょう。
自社製品の上に埃が積もっていたらどう感じるでしょうか。自社製品を手荒に扱われていたとしたらどのように思うでしょうか。
この顧客の視点が結構重要なポイントになりそうです。先日もある倉庫を訪問した際に、荷主の訪問があるかどうか尋ねてみたところ、年間を通してほとんどないことがわかりました。
一つには見られていないからあえて工数をかけてまで5S活動をやる必要はないと思っているセンター長がいるかもしれません。
もう一つの可能性として、5S活動自体を知らないまたは理解していないことが挙げられます。実際に5Sという言葉を知らない物流マンがいることも事実です。
今更ながら5Sの重要性について話をするまでもないかもしれませんが、上記のような状況も鑑み改めて5Sについて考えてみようと思います。
5Sは「整理・整頓・清潔・清掃・しつけ」の頭文字をとったものです。この内「整理と整頓」を最初に取り組むべきということで2Sと呼びます。
「整理」とは要るものと要らないものを分け、要らないものを捨てることを言います。「整頓」とは要るものをわかりやすく並べることを言います。
いつも申し上げていることですが、物流倉庫では「第三者が一目で見て、正常か異常かの判断ができる」状態にあることが望まれます。
つまり初めて訪れた荷主が倉庫の状況を瞬時に判断できることが望ましい状態だと言えるのです。
これは難しいように聞こえますが、5Sの基本を守って取り組みを行うことで最終的にこのハードルを飛び越えることができるのです。
次回に続きます。
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