意識の高い顧客は価格だけの改定で物流コストダウンを行うことの限界を知っています。もちろん、価格についてもその仕事の条件を変えることで改定は可能ですが、その仕事の条件変更も物流のやり方を変えることにつながるのです。
荷主の立場からするとまず価格改定を行い、それから物流形態の変更に移っていくケースが多いように思います。
もちろんこの順番に特にこだわるわけではありませんが、少なくとも今と同じ物流のやり方ではいずれ価格の限界を迎えますので、この物流形態の変更には注目しておくべきではないでしょうか。
物流の形態の変更にはいくつかの方法が考えられます。一つは輸送モードの変更です。トラックから鉄道や船舶に変更する方法です。一定の荷量がまとまれば鉄道でもコストメリットの可能性が出てきます。
このモード変更はモーダルシフトとも呼ばれ、環境改善にもつながります。ただしリードタイムが伸びる可能性がありますので、物流サービス水準低下のリスクがあることに注意が必要です。
また二つ目に同一ルートや類似ルートに複数のトラックを配車しているという、物流管理上のロスを改善する方法があります。会社が大きくなればなるほどこのリスクが高まることが考えられます。
配車業務を一元化することで積載率を向上し、トラック台数の削減という効果につながりそうです。
ボリュームの多いルートではトラックの大型化も考えましょう。この大型化で混載荷を増やすこと、そして荷姿を改善し、できるだけコンパクト化すること、こういった工夫も物流形態変更に該当します。
調達物流の自社化も挙げられます。今までサプライヤー側でトラックを仕立てて納入するものを、受け側で引き取る形態に変更するアイテムです。ややレベルが高い改善アイテムになりますが、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。
こういった物流形態の変更について物流会社は顧客のコストダウンのための選択肢として提示すべきでしょう。今の価格を下げるためにはここを少しこう変えれば可能だ、といった小さなアイテムを提示し、成功体験をしてもらうことも良いのではないでしょうか。
もちろん、顧客にも汗をかいてもらわなければならないアイテムもあるでしょう。理解を得るためには他での事例を示し、納得してもらえるように努めましょう。
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