輸配送を管理していくため、そして改善していくために欠かせないものが「物流データ」です。当たり前に聞こえるかもしれませんが意外とこれが整備できていない会社は多いものです。
物流データとは荷姿データ、つまり荷姿の縦横高さの寸法、そして荷姿重量です。さらにその荷姿の入数、製品単体重量と容器重量です。
これらのデータがないと正確な配車はできません。大体の勘による配車はできますが、多くの場合ロスをたくさん抱えた配車になりがちです。
また出荷場でトラックに荷を積み込むときに、荷台に隙間があるからといって感覚で積み込んでいくと「過積載」になる可能性があります。
このリスクはきちんと計算しながら積み込むことで回避することができます。皆さんの会社ではこのような物流データは揃っていますでしょうか。
もし揃っていないようでしたら今からデータ収集を開始しましょう。現場で実際に測定することでデータを集めている会社はいくらでもあります。
このデータからも改善点を導き出すことができます。たとえば荷姿重量を整備した時に、製品重量よりも容器重量の方が重いという現状に気づくことがあります。
せっかく製品を軽量化しても、容器の軽量化が進んでいないのです。容器の材料や構成部品を個々に見ていくことで軽量化を狙う必要があります。
この良い事例が「ビール」です。ビールは水物ですからトラック輸送時には重量勝ちになります。ということは荷台の空間が埋まる前に重量で満載になってしまうのです。
つまり荷台に隙間ができる可能性があるということです。そこでビールメーカーは容器の軽量化を図りました。
ビール瓶と缶の材料と肉厚などを変更することで容器自体の軽量化を測り、中身と容器を合わせた重量を小さくすることでトラックにより多くの製品を積めるようにしたわけです。
荷姿寸法からも改善の余地が見えてきます。たとえばトラックに目いっぱい積んだ時の隙間です。よく荷台の後方に隙間を見かけますが、容器自体がトラックに合っていないことで発生するムダです。
これらは一例にすぎません。物流データを作成していくことを通して精度の高い配車のみならず物流上の改善点を見つけることができるのです。
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