輸配送のコストを構成する3要素についてお話をしたいと思います。その3つとは「輸送価格」「輸送距離」「輸送量」です。
もし輸配送コストを下げたいのであればこのいずれかを小さくする活動が求められます。それでは1つずつ確認していきましょう。
まず「輸送価格」について。最近この価格はドライバー不足の影響で上昇しつつあります。これは需要と供給の関係で担い手がいなければその人たちの給料を上げなければ人は集まらないということの結果です。
従業員の給与改善を価格に転嫁するという行為の是非は論議の余地がありますが、物流業や飲食業などは実際に価格への転嫁を実施しています。
物流業は労働時間が長いにもかかわらず給料が安い業界です。この構図を変えなければ人は集まりません。建設業がたどってきた道と同じ道を物流が歩いていると考えられます。
さて輸送をアウトソースしている会社によっては物流価格の水準を知らないために高買いしている場合もあります。一般的に今の価格の水準は市場が決めることになります。
まずはいくつかの運送会社から見積もりを取ってみましょう。大手にこだわらず、中小の事業者からも見積もりを取得することをお勧めします。
筆者の周りの会社でもこれだけで輸送価格が下がったという会社は何社もあります。まずは輸送価格を適正化することから始めてみてはいかがでしょうか。
次に「輸送距離」です。輸送距離といったとたんに「それは無理」と考える方が多いようです。しかし本当に無理なのでしょうか。
ある会社は製造に必要な部品を半径50km程度の近隣に存在する会社からだけ購入するという購買方針を立てました。
これは部品調達時の輸送を考慮し、取った戦略であると解釈できます。
また配送センターの立地も距離短縮の1つの方策です。配送センターまではトラック満載で運び、配送センターからは細い流れで顧客まで運ぶことになります。
当然後者の方が輸送効率は悪くなりがちですから、そのようなルートを短縮するという方策です。
さらに自社工場内にサプライヤーを引き込んで、そこで生産してもらうことで調達距離を限りなくゼロに近づける方策があります。
組み立てると大きな部品になり、荷姿効率を低下させるものについてはこのような方策が生きてきます。
次回に続きます。
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