会社の中には多くの部門があります。会社の規模が大きくなればなるほど部門が増え、部門間の壁も厚くなりがちです。
すべての部門が同じ方向を向いて仕事ができればよいのですが、多少の軋轢はつきものです。そのような中で購買部門と物流部門との関係は難しくなりがちです。
購買部門のタスクは購入費低減です。コストを減らすことで会社利益に直接的に貢献できる部門といえるでしょう。
購買部門では部分品の発注先と単価決定を行います。お互いの関係を難しくしている一端はこの単価にあります。
一般的に部品ごとに物流費がいくら、ということは見えていません。部品を構成する原価の中に物流費は含まれず、「管理費」の一部として物流費は扱われています。
そして管理費は部品原価の積み上げ値に対して何パーセントという取り決めになっています。一方で注意しなければならないことは物流費は「部品価格に比例するものではない」ということです。
たとえば薬のような高額品1㎥を運ぶ時とお菓子のような安価なものを1㎥運ぶ時とで物流費は原則変わりません。
このような実態があるにもかかわらず、高い部品でも安い部品でも便宜上同じ比率が乗じられ管理費は支払われているのです。
このように物流費が正確に把握されていない状況では「物流改善」にドライブがかかりづらいという弱点があります。
誰しも物流コストが大きいと見れば改善していくことは間違いありません。しかし価格建てでブラックボックス化されていると、購買部門はあまり物流改善に興味を持たないかもしれないのです。
物流改善は何も物流コストを下げるだけではありません。多数回納入のように在庫削減やリードタイム短縮についても立派な物流改善です。
もしこのような改善を実施しようとすると、購買部門の反対にあうことがあります。何故でしょうか。それは今まで日に1回運んでいたものを2回にすることで実質的な物流費が上昇するからです。
そうなると結果的に購入品費低減につながらないため、購買部門は協力どころか反対の立場を取る可能性があるのです。
次回に続きます。
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