トラックドライバーの労働時間の内、休息期間というものが定められています。これは勤務と勤務の間の自由な時間を指しますが、継続して8時間以上と定められています。
次に運転時間です。これは2日平均で、1日あたり9時間以内です。また、2週間平均で、1週間あたり44時間以内となっています。
そして連続運転時間は4時間以内です。これらの基準は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号)」に定められています。
前回ご説明した「拘束時間」ですが、荷物を運んで運転している時間だけではなく、点検・回送運転・荷待ち・荷役、休息等の時間も含まれます。
ですからこの時間を守るためには、荷待ちや荷役時間の長時間化を抑制することや、高速道路等の利用による運転時間の短縮等、荷主の理解・協力が必要となるのです。
荷主が知らないところで着荷主がトラックドライバーにいろいろな作業を要請することがありますが、荷主にはこの実態についても情報入手していただきたいと思います。
たとえば着荷主の構内で長時間待たされたり、荷降ろし後に荷物を生産工程まで運んだり棚入れを依頼されたりすることがあります。
これらは運送契約外であるケースが多く、ドライバーの労働時間延長にも直結する行為です。まずこれらの作業を止めさせることが第一ですが、それが無理であるならば契約の改定が必要でしょう。
これもまたおさらいになりますが、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上のトラックに乗務するドライバーは、荷主都合での30分以上の待機時間を「乗務記録」に記載することが義務付けられています。
皆さんの会社の中で、ドライバーが時間記録を行っていますので、皆さんも待機時間の調査を行い、待機させている実態があるのか無いのか、ある場合はその程度について把握しておく必要があります。
「トラック運送サービスを持続的に提供可能とするためのガイドライン」では運送に必要となるコストについても記載しています。
荷主は運送会社とやり取りをする際に、あまりコストは見ていないかもしれません。コストの提示に対して運送会社が拒否している可能性もあるでしょう。
コストの数字はともかくとして、費目程度は知っておく必要があると思います。
まず直接費(運送費)としまして、運行費、車両費、ドライバー人件費、自動車関連諸税・保険料等があります。
次に間接費として、一般管理費、施設費、事故処理費、租税公課等があります。
次回に続きます。
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