全社で物流改善を推進しよう!このようにトップが意気込んで改善の取り組みをスタートすることがあります。まずはトップの意気込みはよいのですが、実際の改善は順調に進むのでしょうか。
何事も同様なのですが、「なぜその行為を行う必要があるのか」についてしっかりと社員に伝達しなければ改善活動はスタートしません。仮にスタートしたとしても間違った方向に向かう危険性をはらんでいます。
よく「やらされ感」という言葉を耳にすることがあります。これは自ら進んで行動しようといった積極的なものではなく、どちらかというと「いやいやながら」やっているという行動だと思います。
なぜこの「やらされ感」が出てきてしまうのでしょうか。それはトップの思いの伝え方にあるのではないかと思います。
会社経営が危機的状況にあるため、社員全員が危機打開のために行動すべき、という話はよくあることです。しかし概して経営者が持つほど一般社員は危機感を持っていません。
この社員の危機感の欠如がしだいに会社という船を浸水させ、徐々に沈んでいく方向に向かわせてしまうのです。
したがいましてまずはどのようにしてトップの思いをしみじみとくるように伝えるかについて考えていきましょう。
会社トップはできるだけ現場を回り、会社の状況を丁寧に説明する必要があります。経営側はこういった努力をする、だから現場ではこういった行動を取って欲しいという自らの考えを伝えるのです。
またなぜ今物流改善なのかについても伝える必要があります。たとえば工場では生産ラインの改善は何十年も前から永続的に行ってきて最近ネタが細ってきた。だから新たな視点での改善が必要、とか世間の水準に比べると当社の物流コストは高いから、とか何かしらの理由があるはずです。
現場改善を実施しようとすると、現場の大半の人は今の仕事のやり方を守ろうとします。現状を変化させることに賛成する人は少数派です。だからこそ改善の必要性について最初にしっかりと行っておく必要があるのです。
次回に続きます。
物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
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工場管理 好評連載中! 8月号「これだけ持って行けば万全!海外工場支援者のための『物流指導7つ道具』 第6回 道具6 現地スタッフ教育マニュアル」
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0007
Logistics Trend 好評連載中! 8月号「物流のiPS細胞を探せ!!製造SCM進化論 第8回工場内部の物流改善(下)」
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