企業はどこでも同様ですが、環境変化に対応できなければ衰退していくばかりです。まだまだ科学技術の発展は続きますので、物流もそれに応じた形で変化していくことが求められます。
最近の大きな変化は「人材不足」です。あらゆる業界で事務職を除き人材不足の状況にあります。私たちは重々承知していますが、この状況変化に対応できているでしょうか。
この状況は一時的なものでしょうか。だとしたら臨時社員で対応することも考えられます。しかしかなりの確率で当面継続すると考えるべきだと思います。
なぜなら高齢化と少子化は日本の構造的な現象であるからです。物流関係の仕事では原則として外国人労働者を受け入れることは入国管理法で禁止されています。
製造業では人員不足を外国からの「実習生」で賄っている会社が多数存在します。この是非はともかくとして、実習生が生産を支える貴重な戦力になっていることは間違いありません。
比較的生産性が高いといわれる製造現場でさえ人不足です。しかも製造現場の仕事に就きたいと考える若者は減ってきています。
各社とも人が来てくれるような活動を行なっています。企業の魅力をPRしたり、会社説明会やインターン制度を活用したりして若者の注目を集めようとしているのです。
では物流を主業務とする会社はどうでしょうか。人材不足は製造業以上です。この要因はやはり仕事に魅力がない、危険だ、給料が安い、長時間労働などネガティブな要素がたくさんあります。
しかし製造業に比べて人材不足の解消につながる「今すぐできる活動」が物流にはあります。それは生産性向上活動です。
たとえば倉庫内作業であればIE手法を導入して科学的に人に作業を割り付けたり、人のムダな動きを無くしていったりする余地が残されています。
トラック運転者が足りなくなるといわれていますが、現時点でのトラックの活用度は4割程度です。荷台の6割は荷物を積んでいないことになります。
つまりこの状況をとらえて活動をすることです。活動をする前から言い訳をして逃げている経営者がたくさんいますが、これはむしろ会社の自殺行為です。
泥臭い努力、製造業では当たり前に取り組んでいる活動を着実に実施することで、物流現場の人不足はかなりの部分で解消が可能となるのです。
次回に続きます。
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