物流サプライヤーへの委託業務の場合、共同改善すべき分野は購買側の効率化だけとは限りません。「共同改善」ですから、お互いにメリットがあることを実施していくべきと考えられます。
発注業務が輸送業務だと考えてみましょう。その場合、物流サプライヤーが望む典型的な改善とは顧客構内での「待ち時間」であると思われます。
この「待ち時間」、数分、数十分のレベルではなさそうです。1時間や2時間などはざらにあると聞いています。
顧客の構内で待たされて、さらに輸送先の構内で待たされて、ということが発生しています。つまり両端末で2時間~4時間の待ち時間が発生しているわけです。
皆さんが飛行機や列車に乗るケースを考えてみて下さい。何かしらの事情が発生して、皆さんが空港や駅に到着が遅れたとき、飛行機や列車は皆さんの到着を待ってくれていますでしょうか。
答えは明確ですよね。一方で運送事業者を待たせることに問題意識を持たないことはいかがなものでしょうか。
仮に待たせてしまうことがあったとしても、それに対する対価を支払うことはビジネスを行っている以上、当たり前のことではないでしょうか。
今回物流購買のプロセスの一環として共同改善を行うに当たっては、物流サプライヤーの改善要請に対しても真摯に取り組むことが重要です。
結果的に物流サプライヤーの効率が向上したとすれば、巡り巡って購買側の購入価格の低減につながることもあるわけです。
購買活動では「単価低減」は当然の行為として行われます。これを否定する人はいないでしょう。購買側はより安く購入したいのです。要求品質をキープできる範囲で。
一方で価格を安くするためには、サプライヤー側のコストを下げる必要があります。仮に1時間の待ち時間を両端末で無くしたとしたら、2時間分のコストダウンにつながります。
これを原資に、物流サプライヤーは荷主にいくばくかの価格低減を提供することができるようになります。
つまり共同改善活動は最終的には自社のメリットにつながるということです。やって損する活動はないと思われます。ぜひ共同改善のしかけをつくってスタートしましょう。
次回に続きます。
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