最近は人材不足に起因する値上げが話題になっていますね。この人員不足は高齢化に伴い労働力人口が減少している影響です。
物流事業者では人員不足を理由に真っ先に他の産業に先立って値上げを始めました。今までなかなか値段を上げることなどできなかった物流業でやっと値を上げるチャンスが到来したといったところでしょう。
確かにそれに対する是非の論議はあるでしょう。製造業は「一歩の削減」といった血がにじむような改善努力を行って値段を上げないようにしています。
これに対して物流業ではどうでしょうか。製造業並みの努力をしているのであれば、値上げもわからないではありません。
しかしそこまでの努力もせずに単純に人がいないから値上げという理屈は荷主側にはきっと受け入れがたいことでしょう。
さて荷主側としては決して歓迎できる話ではありませんが、ここはひとつ発想を変えて値上げ要請を改善のチャンスに変えてみたらどうかと思います。
製造業では一歩を削減する努力をしていることを書きました。では物流コスト削減の観点ではどこまで改善努力をしているのでしょうか。
荷主の立場から考えると、単価の値上げを要請されたとしても、支払金額まで上げる必要はありません。おわかりでしょうか。単価が上がっても必ずしも支払金額が増えるとは限らないのです。
ですから値上げ分を吸収し、さらに支払金額を下げる努力をしていきましょう。
輸送を例にとって考えてみましょう。
モノの大きさと距離で輸送単価を提示している会社があります。自社の貨物の特性からどのサイズの荷物をどこに送っているのかを分析してみましょう。
単価マトリックスを見て、荷物の大きさを調整してみましょう。ワンサイズ小さな段ボール箱に変更できませんか?入り数を一つ減らすことでサイズダウンはできませんか?
車建て契約の場合どうでしょうか。その場合、積載率を向上することによってトラック台数を減らし、値上げ分を吸収する以上に支払金額を低下させることができるのです。
値上げをそのまま受け入れて、自社の物流コストアップをさせてしまうことは少々安易ではないでしょうか。
値上げは願ってもない物流コスト削減のチャンスでもあるのです。災い転じて福となす状況にしていきましょう。
次回に続きます。
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