生産現場の改善は何十年も前からとことん実施されてきました。今では「歩行一歩」を詰める改善レベルにまで来ていると思われます。
このような現場改善ですが、塵も積もれば山となる、のたとえではないですが、日本の製造業の強さを象徴しています。
真面目に、かつ愚直に取り組むことが企業収益に大きなメリットをもたらすのです。実は物流現場でも同じ取り組みをしていけば、もっと会社の利益は上がりますし、従業員の給料にも反映されることになると思われるのです。
にもかかわらずなぜ物流現場では改善がそれほど進んでいないのでしょうか。その大きな要因が「改善のノウハウがない」ということでしょう。
さらに「改善に対する意識も低い」という点も注目すべきだと思います。特に物流を生業としている会社では改善意識を高め、真剣に取り組むことで会社の利益率向上と給与向上のオポチュニティにつながること間違いありません。
ですから、ここで物流現場改善について、真剣に考えてみたいと思います。改善意識と改善ノウハウの向上からスタートです。
まず「改善意識の向上」について考えてみましょう。なぜ製造業では改善が進んだのかというと、グローバルでの熾烈な競争があったことが挙げられます。
日本国内だけで競うだけではなく、海外の企業とも競い合わなければならなかったのです。ですから生産現場では常に改善が求められました。その手を緩めればあっという間に競合他社に負けてしまうからです。
そして改善を続けた結果、間違いなく会社の利益が向上します。その結果が従業員に還元されてきたわけです。ベースアップや賞与という形で。
また、改善に対する報奨制度も充実していました。改善提案制度は多くの会社で導入しています。優秀な提案にはそれなりの報奨金が与えられるとともに、「改善王」などの呼称で評価されるしくみがあります。
ですから、まず社内に改善に取り組むことの動機づけとなるしくみを築いていくことが重要だと思います。
改善を行うことが、巡り巡って自分のメリットとして感じられるしくみが必要なのです。単にやらされるだけでは続きません。
一番効果的なことは改善を行った人が評価されることでしょう。そうすることによって、改善意識が向上します。
特に会社の管理者の方にはこのしくみの構築を考えていただきたいと思います。そして次に考えていくべきことが改善ノウハウです。
次回に続きます。
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