「場所があると保有してしまう」傾向があることは事実ですから、逆転の発想で行きましょう。つまり「場所の制約」をかけることです。
荷主から在庫削減のアドバイス要請があったらまず「場所」から考えてみましょう。
たとえば調達品の買いすぎによる在庫を防ぐ方法を「場所」の観点から確認します。そのために最初に行うことはその調達品を置く場所を決めます。
そのロケーションの面積を決めます。もちろん、そのロケーション以外の場所に置くことは厳禁とします。つまりそこに置ける分しか買ってはいけない、というルールにするのです。
できれば調達管理も併せて行うと効果が倍増します。つまりロケーションから減った分だけ発注するという方法をルール化するのです。
生産も同じです。工場内に加工完成品置場を設定します。そしてそのロケーションにおける分しか作ってはならないというルールを設定するのです。
このロケーションに台車を置き、それが次工程に引き取られたらその分だけ生産するという生産管理を確立するのです。
置き場所が無いということで物流が怒られることがあります。それは置き場所のルールがはっきりしていないことが原因と考えられませんでしょうか。
「ものを買いすぎたから置き場所が無い」、「つくりすぎたから置き場所が無い」ということではないでしょうか。
要は在庫量と場所の問題なのです。場所は制約条件ですからその範囲に置ききれないような在庫を持ってはいけないのです。
生産では場所だけではなく「容器」で規制することも効果的です。先ほどの事例でいけば「台車」です。それが無いと作れなくなりますから、容器や台車の量を決めてしまうことも必要以上の在庫を制限することに役立つでしょう。
物流は常にものを動かしていますので必要在庫量を体感しています。したがって在庫管理に向けてのアイデアは多々出てくるのではないでしょうか。
ぜひ「在庫管理の当事者」として頼れる物流業であって欲しいと思います。
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