在庫が増えれば利益も増えるということが論議の的になることがあります。一見在庫が利益につながるなんて、と思われるかもしれません。しかしそれは次の算式でも明らかなのです。
利益=売上-売上原価
売上原価=期首在庫+期中仕入-期末在庫
たとえば売上が1000万、期首在庫が300万、期中仕入が450万、期末在庫が200万だったとしましょう。
この時の利益は
1000万-(300万+450万-200万)=450万
となります。
もし期末在庫が300万だったとすると、利益は550万になります。つまり在庫が100万増えたら利益も100万増えたということになります。
だから在庫を持つことは利益の視点から正しいのだ、ということを言う人がいるのです。
しかし売りを伴わない在庫が増えるということは、会社のキャッシュを圧迫するだけではなく、本来なくてもよいはずのコストを生じさせてしまうのです。
それが在庫を保管するための容器であり保管場所であり、在庫を横持ちするための費用であり管理であるわけです。
このような付帯的に発生するコストなどを考慮せずに見かけ上の利益だけにとらわれてしまうことは危険ですから、物流の観点からも荷主に適切なアドバイスをすることが求められるのです。
在庫のリスクとして廃棄リスクが挙げられます。売れる見通しのある在庫であればまだ良いのですが、その当てがなければリスクが大きいと言えます。
もしそれが売れなければ持っていても意味がありませんよね。最終的にはお荷物に他なりませんので処分せざるを得ません。
そのための処分コストがかかってくるのです。この在庫のことを「罪固」と呼びます。私たちは「財庫」を持つことは許されますが、「罪固」は決して持ってはならないのです。
物流の観点から見て在庫は往々にして「場所があると保有してしまう」傾向があります。工場でも倉庫でも同じですが、場所があればものを置きたがるのです。
そこでこれを逆手にとって考えてみることが必要です。つまり在庫を置けなくしてしまうことで必要以上の在庫を保有させないようにするのです。
次回に続きます。
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