ドライバーの人件費コストを削減するためには輸送行為の内のロス時間を削減することを考えなければなりません。その筆頭格に挙げられるのが「待ち時間」でした。
物流業にとってもう一つロスを削減しながら下げていくべきコストがあります。それが倉庫における労務費コストです。
比較的簡単な作業につきましては正社員からパート労働者に置き換えることで賃金コストを削減しているものと思われます。
この方法も一つのやり方だとは思いますが、同一労働同一賃金であることを考えると今までの正社員の賃金が高すぎたと考えられないこともありません。
労働契約上の単価差ではなくむしろ作業の中に含まれるロスを削減することで倉庫内における労務費コストを下げることを考えるべきではないでしょうか。
筆者から見るとこのロスは各社に共通して言える「大きな削減余地」であると思われるのです。しかも意外と物流業者はその点に気づいていません。
それだけにここを責めることによって物流業における原価を低減させ、他社に対するアドバンテージを得ることが可能になると思われます。
ではその「大きな削減余地」はどこに隠れているのでしょうか。また各社の管理者はなぜそれに気づいていないのでしょうか。
その点についてお教えしましょう。
それは「作業の速度」と「作業のペース」です。物流業の場合、大抵の会社がこの二つの要素を「作業者に任せている」のです。
この重要な二つの要素について製造業では当然のように管理監督者が定め、それを作業者に「遵守させて」います。もしそれが守られていなければ守るように指導します。
不思議とこういった習慣にない物流業ではほとんどの会社がこのような行為を実施しておらず、またそれに気づくこともありません。
もしこれに気づき、製造会社並みの活動をすれば倉庫内労務費コストを大幅に削減することができるのです。
世界でトップクラスの労働生産性を誇る製造業はそれなりの工夫と努力をしてきているわけです。その良い点を学ばない手はありません。
ここで言う「大幅に」とはどれくらいをイメージしますでしょうか。これにつきましては別シリーズで後日お話させていただきます。
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