物流業務にはトレードオフの関係がよく見られます。たとえば輸送改善のために荷物を縮める方策として、容器の折り畳みが挙げられます。
容器を折りたたむ際には数秒の工数がかかります。この時間を惜しんで容器の折り畳み化に消極的な姿勢が見られます。
工場だと社内で誰かが折りたたむことによって輸送コストを下げることに貢献できます。ここで折りたたむ部署と輸送コストの予算を持っている部署とが異なる場合があります。
そうなると全社的に儲かったとしても、折りたたむ部署にとってみるとコスト増になるわけです。この状況についてどうすべきかの「会社ポリシー」が決まっていない場合や、ポリシーが無くてもその適否をジャッジできる人がいなければ暗礁に乗り上げます。
セクショナリズムの典型的事例ですが、当事者にとってみると深刻な問題でもあるわけです。この「決めない文化」や「スローな体質」が企業競争力低下につながります。
工場運営にかかわるコストであればその責任は工場長が責任を持たなければなりません。その一部でも他部門が持っていたとしたらこのようなセクショナリズムが生じ、問題が解決しづらくなるのです。
たとえば工場では人件費や材料費、エネルギー費について責任を負っていたとしても、出荷に要する物流コストを営業が負っているようなケースです。
こうなると仮に輸送コストが下がるようなアイテムがあったとしても、工場にとってコスト増になったとたんに工場長は反対します。仮に全社的に儲かるアイテムだとしても。
ですから重要なことは工場長やその他の上位者に大きなくくりでの責任を持たせることが、全社的にメリットがあると考えられます。
あまりにも責任範囲が大きすぎると考える向きもあるかもしれません。そのような場合にはその人に対する報酬を大きくすることを考えてみてはいかがでしょうか。
大半の会社にとって物流改革のオポチュニティはふんだんに存在するはずです。しかしセクショナリズムによってそれにブレーキがかかるほど馬鹿らしいことはありません。
まずは会社の経営層をはじめとした上位の方々が会社経営のことを本気で考えるとともに、物流改革に責任を持つことです。
上位者の腰が引けていれば下はそれに倣いますし、やる気も失ってしまうことでしょう。上位者の方はぜひ物流改革の範を示してください。
どれくらい会社が儲かるか、大きな確率でそれは計り知れないものがあることでしょう。
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