物流改善の考え方と優先度 工場内物流の効率化とその影響

皆さんは物流改善というとどのようなイメージを持ちますでしょうか。多くの人が物流はコストだという認識があります。

物流=コスト、この考えは間違っているわけではありません。物流費を外払いしている場合、それを減らせばその分会社の利益になります。

ですから物流コスト改善は必ずやらなければならない行為であることは間違いではありません。しかし問題はその優先度と内容です。

何が言いたいかというと物流コスト改善を優先的に取り組むことで、他に悪影響が出るケースがあること、これを知っていただきたいのです。

これは外払いの物流に限りません。社内物流でも同様です。たとえば工場内物流などはこの優先度について最も気を付けなければならない業務なのです。

それは何故でしょうか。次のケースで考えてみたいと思います。

工場内物流はサプライヤーから納入された部品を生産工程に運びます。この作業のことを供給作業と呼びます。

工場内物流はどのようにしたら効率化できるでしょうか。物流の原理原則ですが、まとめて運ぶことは物流自体の効率化の鉄則です。

ではこの原則に基づき工場内物流が「まとめ供給」を実施したとするとどのようなことが起きるでしょうか。

工場内物流の部署は今まで小刻みに運んでいた作業をまとめ作業化できますので、時間を省くことができます。その時間で他の仕事に取り組むことができるでしょう。

では生産工程ではどのようなことが発生するのでしょうか。

まとめて運搬された「今使わない部品」の在庫がたまります。それによってラインサイドが狭くなり、今必要な部品を取り出す時に探したり、歩行したりすることになるでしょう。

結果的にものづくりの生産性が低下します。これは何を示しているのでしょうか。それは物流改善の優先度とやり方を間違えたといわざるを得ません。

物流が自分たちの効率化というわがままを実行して生産工程にしわを寄せるという、絶対にやってはならないことを行ってしまったのです。

次回に続きます。


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