運送会社に限らず取引先であるサプライヤーを育成することは皆さんの責務であると認識していただきたいと思います。
筆者も数多くの運送会社や倉庫会社を見ていますが、ここはよくできているな、と感じる現場を持っている会社は間違いなく「うるさい顧客」を抱えています。
うるさい顧客とは取引したくないと思われるかもしれません。しかし運送会社でも部品サプライヤーでも同様にいえることは「うるさい顧客」がいないと成長しないということです。
うるさい顧客の担当者はことあるごとに運送会社の現場を訪問し、改善を促します。5Sができていなければ具体的な手順を示し実行を促すのです。
もし皆さんが運送会社の立場だったらこのような顧客をどう思いますでしょうか。
考えてみて下さい。このように顧客から指導を受けるということはコンサルタントを入れて改善を行うことと同じです。
高額な報酬を支払って行うことを無償でできてしまう。これほどおいしい話はないのではなかでしょうか。
さらに現場管理技術を備えている物流委託先は多くありません。これらの会社が他社に拡販する際の大きな武器にもなることを付け加えておきましょう。
物流委託先とは共同改善を行い、お互いそのメリットを享受したいものです。発注側と委託先が共同で改善活動を進め、その状況については定期ミーティングで確認していくとよいでしょう。
定期ミーティングを実施することによりPDCAサイクルを回していくのです。
併せてこのミーティングで自社の中長期生産計画(販売計画)や現時点での会社の状況などの情報を委託先に提供するとよいと思います。
委託先が事前情報に基づいた効率的な業務運営ができる環境整備をサポートするのです。急激に生産(販売)が増えて物流業務に支障をきたすようなことを防ぐためにも、情報提供は欠かせません。
また年に2回ほどパフォーマンスレビュー・ミーティングを実施することをお勧めします。これはお互いの会社のトップマネジメントが出席して会社の状況や最新の生産(販売)状況、物流情報などについての意見交換を行うとともに、改善の進捗状況についてのパフォーマンス確認を行う場です。
次回に続きます。
■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』
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