物流作業は自由度が高いため、いろいろな手順で行うことができてしまいます。生産活動では多くの作業が一定の手順に従わないとできませんが、物流作業はそうではありません。
その影響か物流現場の多くで作業のやり方にばらつきがあります。作業者ごとに手順や方法が異なるのです。
この状況は決して望ましいものではありません。なぜなら物流作業のやり方を作業者任せにしているため、作業の出来栄えにばらつきが出るからです。
簡単に言うと、物流現場では「現場管理」ができていないのです。表現が厳しいかもしれませんが、物流現場監督者は管理を十分に行わず、作業者に仕事を丸投げしているのです。
この環境下で物流品質不良を撲滅することはできるでしょうか。残念ながらそれは100%不可能と言わざるを得ません。
なぜなら作業者のAさんが自己流の作業を実施し、その作業品質が保証されているとはいえないからです。
そこでまず基本に立ち返り、物流作業標準化から取り組みましょう。物流作業標準化は必須です。もっと言うと物流作業が標準化できていない状態で作業を開始してはならない、ということになります。
作業手順を詳細に分析して定義し、それぞれの要素作業の中で注意すべきポイント、すなわち急所を明らかにしましょう。
特に安全と品質に関する注意点はくどいほど書いた方がよいと思います。作業者に自己流のやり方を行なえる余地を残してはなりません。
もちろん、標準作業を設定した上で、よりよい方法へと変更すること(改善)は問題ありません。それもまず基本となる標準作業があっての話です。
物流品質不良に誤数があります。物流作業の中でも難しい部類に入るのが数のカウントです。ですから、数の数え方についてもルールを定めることをお勧めします。
たとえば数は5個単位で数える、いったん作業台の上に並べて数える、指差呼称しながら数えるなどのルールを設定することです。
ある会社では碁盤の目を作ってその中に部品を並べながら数えさせています。碁盤の目の中には数字が記載されており、今の数がいくつなのかが分かる仕組みです。
この方法を馬鹿にする現場は必ず物流品質不良を発生させます。基本をおろそかにせず、標準作業を忠実に実行する会社が高品質を生むのです。
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