「本日中」という雑駁な納期管理は決して好ましいものではありません。もしそのような指示を本日の朝に出したとしたら、実質作業のペースを作業者任せにしていることになります。
本来であれば時間ごと管理を行い、その時刻までに何がいくつできていなければならないかを指示することが物流現場監督者の役割なのです。
それを指示せずに作業者任せにすることは監督者の職務放棄であり、決して作業者の自律性を促しているものとはいえないでしょう。
ある商品の出荷に関し、ピッキングを何時何分まで行い、梱包を何時何分まで行って、最終出荷を何時何分までに行うと管理していくのは当然のことです。
この物流作業計画が決められていないと、各工程で好き勝手に作業を行い、ある時は在庫の山ができ、ある時は欠品が起きたりします。
物流現場作業者は手空き時間を嫌いますので、そこで本来やらなくてもよいことをやってしまうことがあります。
物流倉庫におけるその典型が「段ボール箱組立」です。皆さんも倉庫の中に段ボール箱が山のように積み重ねられている光景を目にしたことがあるのではないでしょうか。
出荷を伴う物流作業の場合、すべては出荷トラックの出発時刻からさかのぼって計画を定めるべきです。
たとえば出荷荷揃えや出荷伝票準備の開始・終了時刻を最初に定めます。次に出荷製品を倉庫や工場の中で集荷する開始・終了時刻を定めます。
あとは同じようにして前工程にさかのぼり、開始・終了時刻を決めていくのです。これをどんどんと前工程で繰り返すことでサプライチェーン上の作業計画が出来上がるのです。
ではこの計画を作成するために何が必要でしょうか。それはその作業をこなすための標準時間です。それがわからなければ、正確な開始・終了時刻を定めることは困難です。
そこで、何かしらの方法で物流作業の標準時間を設定することが求められます。標準時間というと、何か難しいことのように感じてしまう方が多いと思われます。
しかし実際にはそれほど難しいものではありません。今まで経験の無いことに対しては難しく感じたり、寄り付きがたいものに感じたりするものです。
では具体的にどのような時間値を設定していったらよいのでしょうか。
次回に続きます。
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