伝統的な料理業界では未だに「仕事は先輩から盗め」とか「飯炊き〇年」といったことが言われているようです。
つまり一流の料理人になるためには何年もの下積みが必要だということを言っているわけです。もちろん、何年もかけて身につける技術があることは事実でしょう。
しかし「飯炊き〇年」のようにあまりにも非現実的なことをさも当然のことのように言う風潮はいかがなものかと思います。
この情報化の時代、昔は秘伝ともいわれなかなか手に入らなかったようなレシピがいとも簡単にインターネットを介して入手することができるようになりました。
では私たち物流の仕事ではいかがでしょうか。まだ一部の現場で先輩の仕事を見ながら習得していくという流れが残っている職場もあります。
しかし採用した人材には存分に働いてもらう必要がありますから、仕事は確実に標準化し、入社して間もなく一人前の作業ができるようにしていくことが重要です。
このような環境整備を行っていくことが企業間競争に打ち勝っていくためのポイントになりそうです。何年もかけなければ身につかないような仕事は極力排除していかなければなりません。
その手段として「物流作業をシンプルにする」ことが求められるのです。シンプル化の取り組みについて少し考えてみましょう。
まず自分たちの仕事の前にお客様へのサービス度を高めることで、お客様側が仕事をシンプル化することについて考えていきましょう。
物流業務がお客様に貢献できることとして、生産工場での部品のライン供給が挙げられます。生産工程作業者が使う部品の届け方を工夫することで、生産工程の作業性が向上します。
その工程で組み付ける「部品だけ」を生産する機種の「順番で」届けるという物流サービスです。Aという機種を生産する際にはAに組み付ける部品をセット化して届けます。
この物流サービスの効果は生産性向上と生産品質向上、そしてもう一つあります。それが生産工程の作業者が「未習熟者でも」作業できる環境づくりです。
今組み付ける部品の選択はある意味技能です。つまりある程度時間を要する「部品選択」の技能向上をカバーしてあげられるのが物流サービスだといえるのです。
次回に続きます。
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