最近輸送価格の値上げが一般的になりつつあります。今まで価格の値上げなど夢のまた夢だった物流会社だったわけですが、人員不足を契機に荷主と値上げ交渉を始めました。
もちろんすべての荷主会社が値上げを受け入れているわけではありませんが、多くの荷主会社が理解を示し、あるいは渋々と受け入れました。
輸送価格に限らず人手不足に起因する値上げが市場に発生しつつあります。値上げと共に、物流会社では供給規制をかけている会社もあります。
その結果として物流会社の利益率が向上しつつあるようです。繰り返しになりますが、このような状況が来るとは物流会社にとって夢のような話です。
一方で利益率が向上していない大変な会社が存在することも事実です。物流会社は何も自分たちだけで輸送を行っているわけではありません。
協力会社に依頼し、実輸送を行ってもらっていることが一般的です。ということは、それらの会社にとっても人員不足の事実があり、親会社に値上げを要請しているのです。
このような状況下、今まで考えられなかった現象が発生しています。それは物流会社が荷主を選別するという現象です。
過去は何としても仕事が欲しくて、荷主の言うことは神の声の様に扱ってきた会社が少なくありません。しかしもう物理的に運べない状況ですから、すべての荷主の言うことを聞いてなんかいられません。
特に値上げ要請を拒否した荷主とは契約を解除する物流会社が出始めました。これはある意味経済原則に基づく結果ではあると思います。
一方で契約を解除した荷主はもっとよい条件で別の物流会社と契約したかもしれませんし、そうでない場合もあったことでしょう。
今や荷主会社と物流会社の立場が逆転したとの見方もあります。もちろん、物流会社にとって荷主会社はお客様です。
ただしお客様だからといって、今まで一部で発生していた「無理難題」まで引き受ける必要はありません。その意味で物流会社はより条件のよい荷主と取引をするようになったわけです。
荷主会社ももし今まで「無理難題」を押し付けていた、あるいはそれが当たり前と思って何でも物流会社にやらせていたとしたらそれは改める必要がありそうです。
このような状況を放置していたら、本当に大変なことが起きてしまいかねません。そこで荷主として考えなければならないことについて確認していきたいと思います。
次回に続きます。
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