物流センターマネジメント(3) 物流作業編成の組み方

いつも申し上げていることですが、物流作業を作業者任せにはしてはなりません。特に仕事のペースを作業者に任せてしまうと作業者は自分の持ち時間を目いっぱい使って仕事をやろうとします。

極端な例かもしれませんが、同じ分量の仕事をある時は4時間で行い、別の時には8時間で実施します。なぜなら作業者は仕事をせずに手待ちになっている状態を嫌うからです。

仕事が無いときもあたかも仕事をしているように動き回るのが作業者心理というものです。しかしこのような人のマネジメントができていないことに起因する損失は大きいものとなります。

先の事例のように本来なら4時間でできる仕事を8時間かけられてしまうと、実質倍の人員が必要になるからです。

物流センターの労務費が本当は今の半分でできるということが分かったとしたら皆さんはどのように感じられるでしょうか。

本来ならその仕事をどれくらいの時間でやるのが標準なのかどうかは、前回ご紹介した物流標準時間で明らかにすべきだと思います。

与えられた標準時間でできるかどうかは作業者の習熟で決まってきます。そして標準時間を使って仕事量を明確にし、それで1日分の作業量を積み上げて作業者にそれをこなすように指示します。

これを物流作業編成と呼びます。そしてこのように作業者に仕事を割り振るのは物流センター長の仕事になります。物流センターマネジメントの非常に重要な部分です。

この作業編成通りに仕事をさせるのもセンター長の仕事です。しかし物流センターの実態はというと、こういった部分を作業者任せにしているのです。

標準通りに仕事ができているかどうかは作業者の評価項目になりますが、作業編成を作成してその通りに仕事をさせているかどうかは物流センター長の評価項目と言えそうです。

物流センターは常に「人」、「もの」、「金」のマネジメントができていなければなりません。このうちどれか一つが欠けてもいけません。常にこの点を意識して物流センターマネジメントを実施していけるようにしましょう。


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