工場内物流も物流事業者と同様の考え方を持つべきでしょう。つまり自分たちが提供するサービスについて標準作業書に明記するのです。
製造工程で当たり前につくられている標準作業書ですが、これが物流となると作成率がぐっと低くなる傾向にあります。
しかしいつも申し上げている通り、品質の高い物流作業を高効率で実施するためには標準作業の設定が不可欠と言えるのです。
ということで物流部門は自部門の行う各物流作業について標準作業を設定し、それを標準作業書に落とし込むことを心がけましょう。
そしてその標準作業の中にうたわれた物流サービス水準についてきちんとお客様である製造に提示することが望ましいでしょう。
標準作業が設定されていないと作業者によって仕事の仕方が異なる可能性があります。結果的に製造に対するサービス水準に差が出ます。これでは品質や効率を一定に保つことができず、製造品質にさえ影響を及ぼす可能性だってあるのです。
標準作業書には品質のポイント、こなすべき標準時間、安全上のポイントなどが記されることになります。それを実行すれば現行考えられる最高の物流作業ができることになるのです。
さて物流事業者におけるSLAや工場内物流における標準作業書ですが、これはある意味でバイブル的存在であり、それがなければ仕事をしてはならないくらいの位置づけであるべきだと思います。
たしかにこれらのドキュメントを作成するためには時間を要します。しかしそれについて手を抜くということは仕事の手抜きと同様、あってはならないことだと考えるべきではないでしょうか。
しっかりと時間を取り、自分たちも、そして顧客側も納得のいくものを作り上げることが重要です。
これらのドキュメントが全くない場合は最初は少々大変かもしれません。しかし一回作成すればあとはそれを改定する形で作成できるため、だんだんと作成時間は効率化されていくことでしょう。
ではこれからSLAの内容のポイントについて一緒に考えていきましょう。
最初に仕事の受注について見ていきましょう。SLAには次のようなポイントを織り込むとよいでしょう。
・ 顧客からの受注時刻:たとえば前日午後3時を受注締切とする、それを超えた場合には翌日分とするか追加価格を徴収する、といった決め事を明記しましょう。
・ 緊急オーダー:納入リードタイムが〇○時間を下回るオーダーについては価格を2倍とする、などのメリハリある契約内容にするとよいでしょう。
次回に続きます。
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