会社の中で出荷情報を共有化していれば、極力同じトラックで運ぼうという意識が働きます。その意識の下、配車を行えばどれだけ物流コスト改善が進むことでしょうか。
無駄な配車を行っていることに気づく必要があります。ではその動機付けにはどのようなことが必要になるのでしょうか。
大きな動機付けに「コストダウン目標の明確化」があると思います。年間物流コストを15%削減する、といった具体的な目標が改善活動に拍車をかけることは明確です。
時々無理な目標設定が社員にプレッシャーをかけ、不正につながるといった話があります。確かに乾ききったタオルをさらに絞るような状態にあるとしたら、そこに「困難さ」は出てくることでしょう。
しかし多くの会社は物流改善にすら着手していませんから、まだまだ水が滴る濡れタオル状態でしょう。自社の物流改善がどのレベルにあるのかを判断の上、目標値は設定すればよいだけの話です。
先ほど掲げた15%という数値は必ずしも高すぎる目標とは言えないと思います。まず15%~20%程度の数値目標を設定し、1年~3年程度でこれを達成する計画を作ってみてはいかがでしょうか。
さて社内で複数部署混載を計画しました。この時のポイントは、できるだけ一か所に出荷情報を集め、そこで配車を行うようにすればよいと思います。
この社内混載をまずは徹底的に行うことです。荷姿モジュールも統合しながら、トラック積載率を向上させていきましょう。
それでもまだ積載率に余裕があるときはどうしたらよいでしょうか。次のステップは社外混載の実施です。近隣にある別の会社と共同輸送を行うことです。
重量物を扱っている会社では、トラックの荷台に空きスペースが出る可能性が大きいのです。なぜなら、重量物は小さくても重いからです。
ここにがさもの、つまり大きいわりに重量は軽いモノを扱っている荷を混載することは非常に効果的です。
これを行うことで、トラックの積載率が重量的にも、容積的にも向上するからです。もし自社が容積モノを扱う会社だとしたら、自社だけの混載では容積的には高積載率になったとしても、重量的にはかなりの余裕があるはずです。
この重量と容積のバランスをとりながら混載をしていくことが、究極の配車マネジメントということになるのです。
次回に続きます。
■毎週水曜日、日刊工業新聞に連載を始めました!
タイトルは「企業を進化させるSCM」です。
当面「調達物流」をテーマに展開してまいります。
モノづくりのページに掲載されていますので、ぜひお読みになって下さい!
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「物流筋力を高めろ! 物流キーマンパワーアップ道場・第11回
『物流をデザインできるスタッフを育てよう(上)』」
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0007
■日刊工業新聞社 プレス技術 好評連載中!
「暗黒大陸の物流改善大作戦 ~プレス工場を大変身させる秘密の裏ワザ~
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