一度経営者に関心を持ってもらったならば、その状態を維持していきたいものです。仮にそのきっかけが物流コスト増のようなネガティブなものであったとしても、です。
経営者が一番関心を持つものは「数字」です。ですから物流についても必ず何かしらの数字を用いて状況をインプットしていきたいものです。
そこで必要となってくるものがKPIです。KPIとは Key Performance Indicator の略で、重要経営管理指標のことです。
物流のパフォーマンスを的確に示せるKPIを設定し、その値を経営者に定期的に報告できるようにしていきましょう。
KPIには結果系の指標と要因系の指標の2種類があります。何かしらの活動の結果として表される指標が結果系、そこに至る過程で把握できる指標が要因系です。
たとえば輸送コスト(金額)は結果系指標、トラック積載率は要因系指標ということになります。この2つを常に対にして考えていくとよいと思います。
この結果系、要因系ですが、大きなくくりで考えると「物流コスト」が最終的な結果系となり、その構成指標として「輸送コスト」、「保管コスト」、「荷姿コスト」などが挙げられます。
では「輸送コスト」の要因系指標とは、となると「トラック積載率」や「トラック回転率」が考えられます。もちろん「輸送距離」や「輸送価格水準」が輸送コストの要因となることも当然です。
「保管コスト」の要因系指標としては「倉庫内充填率」や「倉庫内荷役費」が考えられます。もちろん「1㎡あたり出庫数」などの指標をとらえても構いません。
次に「荷姿コスト」の要因系指標について考えてみましょう。たとえば「容器内充填率」が挙げられます。容器の中にどれだけ隙間なくものが詰められているのかを示します。もちろん「ダンボール購入費」や「荷姿資材費」など直接的に購入しているコストそのものを要因系指標とすることでも問題ありません。
このように日常的に管理することで物流のレベル向上につながるKPIを取っていくことをお勧めします。
ただし注意ポイントを1つ申し上げておきます。それはKPIのデータ取得に時間がかからないということです。
データ取得にあまりに管理工数がかかりすぎるとその仕事は続きません。ですからこの点は無理のないところでスタートするとよいと思います。
経営者はこのような数値指標を好みます。今の物流の水準がよいのか悪いのかについて瞬時に判断できるように工夫していきましょう。
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