物流は当たり前に行われると軽く考えている人が多いようです。気にしなくてもモノは届く。モノを運ぶことに特に気にかける必要はない。こう認識されているのです。
このような状況ですから物流の担当者はいつも苦労しています。モノが届く時刻が遅れるとなると「当たり前のことが行われない」と騒ぐ人を説得しなければなりません。
海外ではロジスティクスが重視されているため、戦略的にモノを動かしたり、低コストで行ったりすることは誰しもが理解しています。
日本では一般的に「物流はコスト」だと認識されています。そのため物流に関わるコストが上昇するとなると大変です。
その際にも物流担当者は理由を理路整然と説明しなければなりません。会社の中で物流を理解している上司が少ない場合、部下の方は苦労すると思われます。
一方で物流を定量的に示すことができないスタッフがいることも事実です。今の物流の状況を数字で示すとどうなるのか。それをどこまで改善すれば会社収益に貢献できるのか。
営業や生産部門はこのような数値化は当たり前に実施しています。しかしこれが上手くできていない物流部門は苦労すると思います。
日本は過去から物流を重視してこなかった社会ですが、この背景は今更変えることは不可能です。でも今から将来に向かって変えていくことは可能です。
そこで物流を理解してくれていない人を説得するためには後にも先にも「物流を定量化」することが必須となるのです。
まずは社内の物流コストがどれくらいかかっているかについて調査してみましょう。一般的に売上高に占める物流コストの比率は約5%と言われています。
しかし実際には販売管理費や人件費、情報システム費や減価償却費などの中に含まれ、顕在化されていない物流コストがあることに気づく必要があります。
これらを含めれば8%程度の比率になる可能性があり、見過ごせないレベルだということがわかります。物流をコストだと認識していればなおさらです。
多分大多数の企業の営業利益率より大きい数値であることが推測されます。もしこの事実を経営層が知ったとすれば物流をおろそかにすることはないはずです。
次回に続きます。
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