物流の波動と平準化(2)

出荷準備作業の集中化によって物流作業者の仕事に繁閑差が出てしまいます。また、出荷準備作業が集中すればそれだけ広いスペースが必要になります。

同じ出荷準備スペースを何回転かさせることによって本来なら小さくて済むスペースが、出荷集中によってその何倍ものエリアが必要になることがあります。

この出荷準備作業が集中するのはトラックの出発時刻が集中していることが要因ではないでしょうか。トラックが一定の時間帯に一斉に出発する計画にしていれば、準備作業も集中せざるを得なくなります。

しかし本当にトラックの出発時刻は集中するものなのでしょうか。これは突き詰めて考えてみる必要がありそうです。

もしかしたら出荷先と調整することで出発時刻を分散させることが可能かもしれません。しかしこういった調整はそもそも無理だという思い込みは無いでしょうか。

固定観念を持っていると改善が阻害されがちです。なぜその時間帯でなければならないのかについて検討することから始めましょう。

工場内物流で特定の時間帯に工場内通路が渋滞するという事象がありました。この要因を探ってみると、部品納入の時刻が集中していることに気づきました。

なぜ部品納入の時刻が集中するかを調べてみると、部品調達担当者が部品在庫を絞り、朝一番に部品が入ってこないと生産ラインに支障が出ることがわかりました。

この調達方法によって、工場内物流の担当者は午前中は忙しいものの、夕方以降は仕事が無くなる現象が起きていたのです。

この事例も自ら作り出した仕事の波動であり、それが現場作業者の繁閑差につながってしまっていたのです。

次回に続きます。


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