仕事は遅れることは許されません。得意先への未納や納入遅れなどを起こすことは絶対にあってはならないことです。
だからといってあまりにも余裕を持ちすぎることもよくないことです。その一つが在庫で対応しようとする姿勢です。
何か起きた時のために持つ「安全在庫」がありますが、これを通り越し、持っていることで安心する「安心在庫」が目立ちます。
在庫を抱えた本人は安心でしょうが、実際にそれを保管する物流担当者はたまったものではありません。置場を探したり、運搬したり、容器を探したりと在庫発生に伴う「余分な仕事」が発生するからです。
ですから考えなければならないのが「タイミング」なのです。調達するタイミング、生産するタイミング、出庫するタイミングなどが挙げられます。
何事も共通していえることは「仕事の着手タイミングが早すぎる」ということでしょう。本当であれば1時間前からスタートすればよい仕事を3時間前から始めてしまう。
その結果として2時間分の余分な在庫が滞留してしまうのです。これはその工程の心理的なものが影響しています。遅れたら大変だという心理です。
これを防ぐためには何かしらのペースメーカーが必要になってきます。そして物理的な歯止めも必要かもしれません。
ペースメーカーの例としては生産工程に対する部品供給が挙げられます。ちょうど生産をスタートすればよいタイミングで部品を届けるのです。
物流がペースメーカーになるということです。
もう一つは在庫置場を規制するということです。これは完成品の置場ですが、類似項目として完成品を入れる容器の数量で規制をかけてもよいでしょう。
つまり物流が規制をかけるということです。
このようなタイミングを正しく制御するためのしかけを社内に持つことが重要になってくるわけです。そしてそのしかけを物流に持たせることが有効だと考えられます。
旅行に行くことを考えてみればわかりやすいでしょう。目的地までの電車や飛行機がペースメーカーです。出発時刻よりあまりにも早めに行き過ぎても待ちが発生するだけですよね。
次回に続きます。
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