生産工程にモノを届ける作業を供給と呼びますが、狭義の物流しかやったことのない人には理解できない言葉です。
物流には「輸送」「保管」「荷役」「包装」「流通加工」の5つの機能があります。これは狭義の物流での定義となりますが、先ほどの「供給」は「荷役」の中に含まれると思われます。
メーカーからみると物流は生産の一部だと考えます。たとえば工場の中でモノを移動することは「運搬」と呼び、生産工程の中でモノを取る動作も「運搬」と呼びます。
その違いは距離の違いです。部品受入場から部品保管エリアまでの運搬は50mかもしれません。一方で部品取り時の運搬は30cmかもしれません。
大きな距離を運搬するか、小さな距離を運搬するかの違いです。前者は動力車を使って運搬しますが、後者は手で運搬します。そのような手段の違いもあるでしょう。
でも運搬は運搬です。モノを動かすという観点からは物流に他なりません。ただ共通することは生産活動の一環として行われるモノの移動だということです。
もっと言うと、部品を買ってくるときのモノの移動もあります。これを物流用語では調達物流と呼びますが、これも運搬の一つだといえます。
距離の観点からも、手段の観点からも工場の中の運搬とは異なるところですが、基本はモノの移動です。ですから調達物流も生産の一部だということになります。
ですから物流を特別なものととらえて「つかみどころのないもの」という認識でいること自体がおかしな話なのです。
狭義の物流では「調達物流」を輸送としてとらえてそこだけを切り出して考えます。しかし広義の物流として考えればそれは「生産」だということにもなります。
生産工程の中には「プレス」もあれば「加工」もあります。それと同じ次元で「工程内運搬」があり「工程間運搬」があり、「工場外運搬」があるということです。
生産の一部として考えれば全体最適のための物流を考慮することにもなります。ものづくり担当者は物流を担当外と考えないこと、物流専門の人は生産を考慮することが大切になると思います。
次回に続きます。
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