物流はサプライチェーンの一部であり、とりわけ別格のものではありません。メーカーであれば生産の一部であるという認識もあります。
この考え方が物流を進化させている一因であると思われます。前回、物流先端企業は自動車会社であるというお話をさせていただきました。
ここで気を付けなければならないことは、物流オペレーションを自分たちがやるかどうかは大きな要素ではないことに気づくことです。
たとえば輸送はほとんどの自動車会社は自分たちでトラックを保有して運ぶことはしていません。大半がアウトソースです。
このようなことは「Make or Buy」の問題であり、自社でやることの方が有利であればそうしますし、そうでなければアウトソースするだけのことです。
大事なことは物流オペレーションの前段階の物流戦略と物流企画にあるということでしょう。これはどういうことなのでしょうか。
物流業務は多くの場合、その設計段階で効率が決まってしまいます。拠点と拠点を離して設計すればその間での輸送が発生します。
輸送が発生するということは製品品質を保持するための荷姿が必要になります。輸送分の在庫も発生します。在庫があれば在庫置場が必要になるとともに、その管理も発生してしまいます。
つまり物流設計をどのようにするかで、その会社のコストや管理がほぼほぼ決定してしまうのです。これをきっちりとできるかできないかは大きな課題です。
このような検討を行い、工場拠点や発注先であるサプライヤーの場所、物流コストがミニマムになるような荷姿と製品設計、こういったことを真面目に検討し実行している産業が自動車業界なわけです。
発生してしまった輸送をどうするか、これは輸送設計の後に行われる改善です。もちろん、この改善自体は必要ですが、根源である輸送設計をおろそかにし改善で何とかしようと思ってもその効果は大きいものは期待できません。
ですから、高速仕分け機が動いている様子や、AGVが走り回っている様子を見て、この会社は先端的な物流を行っていると判断することは必ずしも正しいとはいえません。
そのような表面面ではなく、その会社の物流戦略を聞いてみることがずっと参考になると思います。
次回に続きます。
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