物流改善、物流改善と騒いでみても、それにまったく興味を持たない人には響くことはありません。物流改善をやらざるを得ない状況にない限り、なかなかそれに着手することはありません。
物流改善の必要性についてはもう30年ほど前から言われていることです。しかし取り組みは業界により、また会社により温度差があることは事実です。
競争の激しい業界では物流改善も進んでいる傾向があるようです。自動車メーカーはもともと国際競争にさらされていますのでものづくりの改善が大変進んでいました。
このものづくりの改善を何十年もやり続けていると、新たな改善ネタに困ってきます。そこで改善の矛先が物流に向かったのです。これは極めて自然なことだと思います。
最近の通信販売も一気にライバル会社が増えたことで、競争のターゲットを物流に求めました。特に配送リードタイム短縮です。この実現のためには物流の仕組みをしっかりと構築する必要がありました。
そしてさらに配送料の無料化が現れました。発注した翌日、場合によっては当日に無料で商品が届くのであれば、その会社から買おうとすることは理解できます。
これによって他社に圧倒的な差をつけることができたわけです。
自動車メーカーにしろ通販会社にしろ、競争の激化が物流改善の動機づけとなりました。必要に迫られてそれに着手したということです。
では競争がそれほどでもない業界では物流改善への取り組みをどうしていったらよいでしょうか。言うまでもありません。競争が始まる前に物流改善を行い、他社を大きく引き離してしまえばよいのです。
物流改善をやったことがない会社であれば、物流コストを半減することは難しくありません。もし他社よりも物流コストが半分であれば、収益力の差が歴然とします。
意識の高い経営者がいる会社であれば、これに気づき物流を何とかせよという指令が出ることでしょう。
次回に続きます。
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