工場内物流進化の勘所 ロジスティクスたる工場内物流

工場の方が結構悩まれているのが生産は効率化できても物流の効率化が進まないということでしょう。同様に物流の貢献度が見えないということも挙げられそうです。

生産遅れに象徴される工場の乱れ。このような時によくよく工場の現場を見てみると、物流がネックになっていることに気づきます。

ロジスティクスという言葉があります。これは軍事用語の兵站と同義語です。戦時に前線に対して物資と正しい情報を的確に渡すことで戦いを有利に進めるための行為です。

実は工場の中の物流はまさにこの行為を行うことが求められているのです。生産工程が清々と作業ができ、納期通りのアウトプットをサポートするために工場内物流が存在するわけです。

兵站では物資と情報を「補給」します。工場では生産工程に対して部品と生産指示情報を「補給」するわけです。

この考えに立つと、いかにロジスティクスが重要であるかがわかります。つまり正しい情報と物資が届けば戦いを優位に進めることができますが、それが届かなければ戦うことすらできなくなります。

物資には武器弾薬以外に食料や飲料水、医薬品その他の備品が含まれます。これらが届かなければ人は動くことすらできなくなります。

日本軍はこのロジスティクスで大戦に負けたといわれています。この点を軽視する組織は必ず敗北への道をたどらざるを得なくなるのです。

工場でも考え方は同じなのですが、これほどまでにロジスティクスたる工場内物流が重要であるという認識はお持ちでしょうか。

もしかしたら生産の付随行為くらいにとらえられていませんでしょうか。

確かに工場ではモノづくりが本業です。ですから生産やそれを支える技術部隊には手厚く人材や資源を投入することは当然です。

しかし物流は、というと極めて心もとない対応しかできていないのではないでしょうか。人材的には受け皿になっていたり、人自体を投入しなかったりしていないでしょうか。

物流組織が強い会社は収益自体もしっかりとしています。一方であまりにも物流に手を抜きすぎた会社では大切な生産行為自体もあまり優れたものではありません。

では具体的に工場内物流にはどのような仕事の機能を持たせていったらよいのでしょうか。

次回に続きます。


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