将来に向けて物流は大きな課題になっていくことは間違いないでしょう。話題になっている輸送能力不足はその担い手がなければ大きな問題になります。
多くの人と話をしていると、物流に対する認識で気になることが出てきます。それは物流を狭い視点でしかとらえていないことです。
たとえば輸送をどうするとか、倉庫をこうするとかいった話題が実に多いのです。これはこれで課題認識としては間違っていないのでよいのですが、物流を考える場合、もう一歩踏み込んでいただきたいのです。
輸送効率が悪い要因な何なのかを考えてみます。最近問題になっているのがトラックの待機時間です。トラックが荷主や着荷主の構内で積み込みや荷降ろし前に待たされる現象です。
いくつもある原因の一つとして、「生産遅れ」があります。生産工程で遅れが発生し、運ぶトラックが待たされる現象です。
一般的にはトラックに待ってもらうことでその問題解決ということになってしまっています。しかし、ここでなぜ生産遅れが発生したのかについて掘り下げてみる必要があります。
設備トラブルがあったのか、品質に何か問題が出たのか、生産要員に欠員があったのか、生産遅れの直接的な要因を追求することです。
もしこの行為を行わなかったのであれば、同じ過ちは繰り返されます。生産が遅れても出荷トラックは待ってくれるもの、という認識が大きいようですが、これを放置してはならないのです。
ですから「輸送」という点の視点ではなく、生産まで含めた視点で物流は考えていかなければならないのです。
倉庫も同様です。よく置場が不足しているので、倉庫を探さなければならない、という話が出てくることがあります。
一方で置場不足の要因追求が不足している場合があります。ものを買いすぎてしまったから置場が無くなったのか、つくり過ぎたからなのか、販売が思うようにいかなかったからなのか、そういった要因を探ることも重要です。
ここで必要となる視点は、購買管理であり、生産管理であり、販売管理でもあります。今まで物流を点でしかとらえていなかったものが、線となり、面となり広がっていくはずです。
よく物流は5機能プラスワンと言われています。それは輸送、保管、荷役、包装、流通加工と情報の各機能です。
これがまさに物流を点でとらえる典型的な見方です。これをベースに、さらにこれら機能の周辺に存在する機能を見ていく必要があると考えましょう。
次回に続きます。
■東京で梱包改善のセミナーを実施します!
「工場の最後の砦を徹底改善!梱包品質・出荷生産性の劇的向上秘訣
~頭を働かせ、手を動かして学ぶ体感型セミナー~」
2018年12月18日(火) 10:00~17:00
東京・平河町近辺の会議室
詳細は以下からお願いいたします。
http://www.j-ie.com/activity/ie-seminar/site-innovation/post-35329/
■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』
カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。
https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/
■日刊工業新聞社 工場管理 12月号 好評連載中!
「工場物流進化論~物流変革時代を乗り切るヒント
第8回 国の施策としての総合物流施策大綱(下)」
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0007
物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/