共同物流について、そもそもそういった発想が頭の中になかった方もいらっしゃるかもしれません。しかし今後は確実に増えていくアイテムでもあるため、共同化のポイントについて知っておいていただければ、と思います。
まず物流ツールを共同利用することについて考えてみましょう。実際にビール業界で行われていますが、パレットや容器の共同化があります。これはツール共同利用の典型でしょう。
業界でパレットや容器のモジュールを共通化します。そして各社その容器等を使うことをルールとします。
各社で個別に保有することが一般的ですが、共通化することで次のようなメリットが挙げられます。
一つに、各社単独で保有すると繁閑差が生じたときに買い増しや遊休容器等が発生しやすいのですが、容器等を業界全体で保有することでこのようなリスクを回避できると考えられます。
二つ目に、容器等の購入価格も量がまとまっての発注となるため、各社単独で購入するときよりも安価に購入できる可能性があります。
そしてモジュールが共通化されるメリットとして、輸送時の混載(積み重ね)がしやすくなります。結果的に共同輸送がやりやすくなり、その効果を享受することができるようになります。
このツールの共同利用ですが、パレットや容器以外に情報システムも挙げられます。こちらの方は難度が上がるため、それほど成功事例は多くありませんが、考えられるアイテムであることに間違いありません。
次に仕事のしくみとしての共同化について考えていきましょう。しくみとして最も効果があるものは輸配送でしょう。
隣同士に工場があり、同一顧客にモノを運んでいるにもかかわらず、個別に運送会社と契約し、別々に配車しているという事例は後を絶ちません。
これは同じ工場でもあり得る事例です。部署が違うために別々にトラックを仕立てているのです。しかもそのトラックの積載率がそれぞれ50%未満だという笑えない状況があるのです。
物理的に共同輸配送は難しくありません。近隣地域発で同一地域向けの荷があれば、それを混載していくのです。
そうは言っても実際の輸配送の成功事例が多いわけではありません。では何がネックになって進まないのでしょうか。この点から考えてみたいと思います。
次回に続きます。
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