倉庫保管効率を測る際に倉庫面積に対する保管面積の比率を算出して評価しているケースが見受けられます。この方法で効率を測ることは一つの方法ではあります。
しかしこの方法では倉庫を真に活用できているかどうかはわかりません。なぜならそれでは「高さ活用」の結果を見ることができないからです。
つまり、極端な話、倉庫面積の8割にパレットが1段だけ置かれていたとしても、保管効率は8割という結果になるのです。この判断は危険です。
よく当社の保管効率は7割以上だと自慢げに話をしている管理者がいますが、そのような倉庫に限って高さを有効活用できていません。
そこで私たちが把握すべき倉庫KPIは「倉庫内充填率」です。倉庫内充填率は以下の式で算出することができます。
倉庫内充填率=保管物の総容積÷倉庫内容積
倉庫に保管している一つひとつの箱の容積をすべて足し合わせ、それを倉庫の内寸から算出した倉庫内容積で除すれば出てきます。
この方法で目指すべき数値はどれくらいでしょうか。多分3割行けばまずまずということになるのではないでしょうか。
倉庫内寸法では高さは6mくらいが一般的です。その内会社の安全基準でこれ以上積層できない、という場合は?これは仕方ありませんが、その分デッドスペースとなります。
いかがでしょうか。面積効率で8割と言っていても、実際に高さを考慮した効率では3割は行かないケースが大半です。
このようなことに気づかないと、真に資産を有効活用することは困難です。何事でも同様ですが、持ちうる力をどこまで活用できているか、この視点が重要なわけです。
倉庫内作業員であれば、1日の内、どれくらいの時間を付加価値を生み出す行為に充てられているか。フォークリフトも同様です。
上記のような視点で一回試算してみましょう。驚くほど資産を眠らせていることに気づくはずです。ぜひ倉庫改善を実施する際にはこの視点で取り組んでいきましょう。
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