ピッキング作業を行う場合に最初に考えなければならないことは「作業生産性」です。ピッキング作業の付加価値作業は「ものを取って置く」ことです。これ以外はムダであるという認識を持たなければなりません。
ものを取る場合も、手を伸ばせば取れる、それ以外に余分な動作は発生させてはならないのです。余分な動作とは、製品をくるんでいる緩衝材を外すとか、段ボールの封を開けるなどといった作業のことです。
手を伸ばせば取れるという前提では、1m以上の幅とすることは考えづらいのではないでしょうか。決して行ってはいけないことは、「台車の大きさ」ありきで通路幅を設定することです。
台車メーカーは顧客の生産性まで考慮していません。というか、台車を見る限りとても作業生産性を考慮しているとは考えられないのです。
人の幅の倍以上もある台車が多々あります。それにオーダー端末をつけたり、複数の顧客分を同時にピッキングできるように複数の出荷箱を載せられたりする大きな台車を見かけますが、これで本当に生産性は上がるのでしょうか。
やはり通路幅を縮め、歩行を減らし、常にピッキング作業に専念できる環境を作ってあげることです。
フォークリフトと人の通る通路を共通化することは望ましくありません。第一に安全上の問題があること。そして第二には通路幅が間延びし、歩行が増えて著しくピッキング生産性を落とすからです。
このような状況を避けるためには、在庫エリアとピッキングエリアを分けることです。在庫エリアではフォークリフトを使って段積みしたり、高層ラックに保管したりするのです。
ラックを設け、下の段はピッキング品置き場、上の段は在庫保管用とすることは望ましくありません。エリアをはっきりと分ける方がよいと思います。
次に保管効率について考えていきましょう。
保管効率でも通路はデッドスペースとなり、効率を低下させる要因となります。床の大部分は保管用に使いたいものです。
それから倉庫では高さを有効に活用するとよいでしょう。床面積をどれだけ保管に使っているかだけではなく、高さをどこまで有効に活用できているかも見なければなりません。
そのため、倉庫内容積に対する荷の容積の比率を取った、「倉庫内充填率」を保管効率のKPIとして使っていくとよいでしょう。
次回に続きます。
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