まずはどんどんと作業改善を行い、個々の作業の中に含まれる「無付加価値作業」と「低付加価値作業」を解消していきます。
そしてこの作業改善が進んでいったとしたら、今度は工程改善にも着手していきましょう。ピッキング工程で終わった製品を梱包工程で梱包する流れになっていたとします。
従来はピッキング工程から梱包工程まで運搬していたものを、レイアウトを変更することで運搬を廃止できるようにする改善は一種の工程改善にあたります。
ピッキング場のレイアウトをコンパクト化し、歩行を減らすことも工程改善になります。荷揃え場とトラックポートを近接化する改善も同様です。
それぞれの工程の中のレイアウトを改善すれば、モノの流れがスムーズになります。運搬工数や歩行も減ることにつながります。
物流業以外の業種ではこういった改善効果の特性から「物流改善」とも呼ばれています。したがって物流のプロである私たちが運搬が発生するような工程をつくること自体が問題である、と認識しなければなりません。
この工程改善を行うにあたって有効となる分析手法があります。それが「工程分析」です。モノの流れに沿って、加工を行っているのか、運搬を行っているのか、停滞しているのか、あるいは検査を行っているのかをプロットしていき、加工以外の工程をなくせないかを判断していくのです。
この工程分析は各工程の中、複数の工程の間、もっと言えば社外の他社との間でも行い、「節の数」がいかに多いのかに気づくことが必要です。
ここで言う節の数とは先ほど挙げた加工や運搬などのことを指します。加工は原則として付加価値作業ですから良いとして、それ以外は大抵無付加価値作業か低付加価値作業になります。そこでこれらの無あるいは低付加価値作業を根こそぎなくす改善が必要となるのです。
この工程改善を実施するとリードタイムの短縮に大いに貢献することができます。なぜなら工程を改善し一時停滞をなくせば在庫が減少することになるからです。
次回に続きます。
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