前回ご紹介したアメリカの方式は大いに参考になるところです。日本では規制もありなかなかそのまま導入することは難しいかもしれませんが今後の配送能力の不足には対応する必要があります。
よく言われる対策に女性の活用があります。家庭の主婦が空いた時間に近所の配送を行うのです。大きなトラックを使わず手押し台車で歩ける範囲で配送して回ります。
これをもっと広げれば一定の空き時間を持つ労働力を活用することができます。この方式は大いに活用していくことが望ましいと思います。
一方で受取場所の多様化も進めていくとよいでしょう。たとえば最近ではコンビニ受取が増えてきています。
既存のコンビニにとってみると今まで通販商品の受取ポイントになっていなかったため商品の置き場所に苦慮しているようです。今後のコンビニ店舗設計の際にはこういった場所も考慮した設計が求められるでしょう。
コンビニ受取が始まってみて商品を受けとりに来るお客さんのほとんどの方が「ついで買い」をしていくそうです。
これはコンビニにとっては大きなメリットになりますね。商店はいかにお客さんに来てもらうかが重要でありその点でこの方式は画期的だったということでしょう。
楽天は駅に宅配ボックスを設置しました。ロッカータイプで帰宅途中などに受け取れる方式です。これもとても便利だと思います。課題は場所の確保ですね。
一部の地方では路線バスと宅配業者がコラボしてバスの一部をカーゴエリアにして運ぶ方式を始めました。
昔は国鉄が客車の後ろに貨物車を連結していましたがJRになってからそのようなことは行われなくなりました。旅客会社と貨物会社に分離されてしまったからでしょう。
しかしこのような工夫は再開すべき時期が来たのではないでしょうか。バスで運ぶ、列車で運ぶ、タクシーで運ぶ、個人が空き時間に運ぶ、このような工夫が取り入れられてもよいのではないでしょうか。
とかく「危険が・・・」とか「不安だ・・・」という発想が先に頭に思い浮かんでしまいます。しかし今後の輸送力不足、高齢化による買い物困難者の増加、ますます増えるネットでの買い物などを考えると考え方を転換する時期に来ているのではないでしょうか。
私たちは常にユーザーの視点に立ってラストワンマイルのあり方を考えなければならないのだと思います。
今熱い視線が向けられている無人運転技術の活用も含めて将来の物流について構想を練る時期に来ていることは間違いありません。
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