物流人財育成では多能工化が欠かせません。これは現場作業であれ、管理業務であれ同様です。今や「一つの仕事しかできない」では広範なメーカー物流には対応できないのです。
この多能工化ですが、仕事が広範だということだけではなく、仕事と仕事がつながっていることも要因として挙げられます。
部品発注業務と在庫管理業務はとながっています。在庫管理業務を倉庫管理業務はつながっています。このように、さまざまな業務が連携していますので、これをぶつ切りで実行していくことは効率低下という結果を招くリスクがあるのです。
そこで一人ができる領域を広げ、まずは自分がやらないとしても、別業務に自分の業務が与える影響を知る必要があります。
多能工化のための技能向上策としまして、「一人3作業」の原則があります。これは一人ができる仕事を3つにするという、技能向上の第一歩ともいうべき施策です。
まずはこのレベルから始めます。そして次に「1作業三人」の原則が挙げられます。その名の通り、1つの作業をその職場の三人の人ができるようにするということです。
そして最後に「全作業三人」の原則を構築します。これはその職場の全作業をできる人を三人育てるという原則です。
各職場でこの3つの原則が構築できれば、技能向上としましてはそこそこのカバー率になるかと思います。
間接業務では在庫管理と一言で言っても、調達部品の在庫管理は購買管理、完成品の在庫は生産管理、販売用の在庫管理は営業管理の知識が必要になります。
サプライチェーン全体を見渡せば、物流としてこれらの知識は持っておきたいところです。「買いの知識」「つくりの知識」「売りの知識」はメーカーとして必須要件です。
現場作業のスキルを身につけることよりやや難しいかもしれません。しかしサプライチェーン効率化のためにはこれらの知識をまとめたテキスト等を作成し、勉強会を実施していくことは大切なことではないでしょうか。
次回に続きます。
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