メーカーが在庫に敏感であるということは今までもお話させていただいた通りです。さらに工場内に余分な在庫が無くすっきりとした生産運営できることが理想になってきます。
そこでジャストインタイムによる調達活動が進められることになるのです。生産ラインへの部品供給は本来であれば「今使う一つ」だけがあればよいことになります。
それに極力近づけるために、部品会社からどのように部品を調達し、それをどのように生産ラインに届けるかが重要な課題となるわけです。
物流会社はよく「納入代行業務」を請け負っていることがあります。これは部品会社の代わりに、納品先の近隣の倉庫で部品を預かり、納品先のオーダーに基づき出荷する方式です。
このケースでは倉庫内の在庫は部品会社の在庫になります。これをもう一歩押し進めると、物流会社が納品先に成り代わって部品会社に発注を行うというパターンが考えられます。いわゆる調達代行業務です。
この頻度を細かくすることで工場内の在庫は圧縮されます。また発注頻度を上げることで在庫金額も小さくなります。そして何よりも、納品先の調達行為による間接工数負荷を軽減してあげることができます。
メーカーの本来業務である生産に特化させるためには、このような間接的業務は極力減らしたいところなのです。つまりこういった業務は外部へ委託したいと考えられる業務だと言えるのです。
物流会社がメーカーから「儲かる」仕事を受注したいのであれば、こういった視点を持つことが大切です。物流会社だから単なる輸送業務や倉庫業務を売り込もうとしますが、仮に受注できても非常に安価な売りとならざるを得ません。何故なら、こういった単純業務であればやれる会社がいくらでも存在するからです。
在庫管理とか発注代行とかいうと、やったことが無い、何となく難しそう、と考え敬遠しがちです。しかし少々歯ごたえのある業務でなければ「高値」はつきません。
安価な業務を受注してレッドオーシャンの中で戦うか、あるいは学ぶ努力を惜しまず、収益を上げる仕事を行っていくか考えどころです。
これから生き残りを真剣に考えている会社はぜひメーカー物流を、その中でも特に「管理業務」を受注していきましょう。そして熾烈な競争市場から一歩でも外に出てみましょう。
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