メーカーは物流子会社を持つ傾向にありました。ありました、という表現を使わせていただいたのには訳があります。それは最近の傾向が変わってきたからです。
最近の傾向とは、と言いますとそれはずばり「メーカーが物流子会社を手放しにかかっている」ということなのです。
メーカー子会社を物流専業会社に売ることが目立ってきています。ではなぜ物流子会社が売られてしまうのでしょうか。この点について少し考えてみましょう。
メーカー子会社の役割は何でしょうか。かつての子会社の役割は二つあったと思います。それは以下の二つです。
1. 親会社に対して他では出せないような良い価格を提示すること
2. 親会社の人材を受け入れること
異論はあるかもしれませんが、本音はこの二つであったと思います。今でもこのように考えているメーカーもあるかもしれません。
物流子会社は収益性の高い外販(親会社以外への販売)で儲け、親会社にそれで貢献する、つまりどこも出せないような安い価格でサービスを提供することが求められたのです。
ではこのニーズに対して物流子会社は応えることができたでしょうか。もしその回答がNoであれば、厳しい見方ですが存在する意味がないということでしょう。
もっとひどい場合は「パラサイト子会社」となってしまっていることです。親会社が無理な要求をするから儲からない、親会社の仕事が減ってしまって困る、などといった言葉が会社内で交わされていたとしたら要注意です。
残念ながらこういった言葉が出る物流子会社は親会社から見れば不良息子に他なりません。家から出て行ってもらうことを望むことでしょう。
物流子会社は親会社に貢献はしても、間違っても親会社から養ってもらってはならないのです。もしこのような状況であれば買ってくれる物流専業者も出てこないでしょう。
なぜならその物流子会社には市場価値が無いとみなされるからです。
次回に続きます。
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