ミルクラン方式で引き取り物流が行われるに際し、出荷側は出荷場にトラック到着までに荷を揃えておくことが求められます。
今までは自分たちの物流で届けていたので、荷揃えもせずにトラックドライバーにピッキングをさせていたことがあったかもしれません。
しかし今度は顧客が引き取りにくるわけですから、顧客に売り渡す商品はきちんと揃えておかなければなりません。当たり前の話ですね。
こういった一種の煩わしさはあったものの、始めてみると出荷側は一様に今までに比べて楽になったという意見を述べています。出荷トラックの手配や物流会社管理などの手間が省けることになったからでしょう。
従来物流管理を行っていたスタッフも不要になります。そのスタッフはもっと別の創造性の高い仕事に就くことができるようになりました。
ただすべてが良い話ばかりとは限りません。引き取り物流が始まり数年たったところで一つの問題が明らかになりました。
その問題とは、出荷側の「物流スキルの減退」です。何も言わずとも顧客が荷物を引き取りに来てくれるので、物流への関心は薄れていってしまったのです。
彼らにとってその顧客向けの販売物流だけが物流だったわけではありません。他の顧客もいるし、自社内物流も存在するのです。
その物流を効率化しようにも、スタッフはいなくなり物流スキルも薄れてしまい、思うように改善が進まなくなってしまったのです。
これが引き取り物流がきっかけとして発生した唯一の問題だったわけです。
一方で顧客側の物流スキルはますます高まっていきました。その結果、調達物流以外でもどんどん改善が進む結果となりました。
次回に続きます。
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