物流コストのベンチマークと合わせて実施したいのが、「物流サービスの効果」についての比較です。物流の良否は次工程の生産性や在庫などになって表れます。それを見る必要があるのです。
大切なことですが物流はコストを下げればよい、とだけは言い切れないということです。低コストだが品質水準が低い物流だったとしたらそれは本末転倒というものです。
たとえばメーカーであれば構内物流はサービスの観点で重要な機能です。それは生産工程がいかに効率よく仕事ができるようにサポートするという機能であり、これを物流サービスと呼びます。
よく生産工程の生産性と構内物流の生産性を天秤にかけてバランスの取れたところで物流サービスを決定するという会社があります。
一見正しいように見えますが、実はこの考え方は危険なのです。生産工程は物流サービスに妥協した結果、目に見えにくいムダを多々抱えることにつながります。
たとえば物流荷姿が大きすぎるための歩行や、容器内の製品同士のからまりによる引きはがし作業などが生産工程で発生してしまうのです。
本来の物流サービスはどうあるべきかについてしっかりと定義して進める必要がありますよね。
さてこの物流サービスを比べてみると物流工数をかけてサービス水準を高めている会社と、その逆の会社があると思われます。
この時に物流コストだけを見ると後者の方がよく見えてしまうのです。そうではなくて、生産工程でどのような効率化が図られたのかを見る必要があるのです。
輸送でも時刻指定を行うことで輸送価格は高くなるかもしれません。しかし時刻指定によってものが入ってからの仕分作業や余分な在庫が無くなっている可能性があるのです。
ベンチマークを行う際にはこのような点に注意して実行することが望まれます。物流コストはかけるべきところにはかけてもよいのです。
ある大手メーカーは関東九州間の輸送を船舶から陸上トレーラー輸送に変えたという話があります。モーダルシフトに逆行するように見えますが、この背景にはそのメーカーの命題である「リードタイム短縮」があったのです。
これを否定することはできません。やはり会社としての目標があるので、その達成のために物流コストをかけるということも有りなのです。
いかがでしょうか。物流ベンチマークを行えばいろいろな改善ポイントが見えてきます。ぜひ一度はチャレンジしていただきたい活動です。
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