メーカーではパッケージングの専門部署を設けている会社もあります。欧米では一般的のようですが、日本ではあまりそこまでしている会社は少数派のようです。
その原因は一つにまだまだ物流に対する関心度が低いことが挙げられます。容器を工夫することで物流効率がまったく違ってくるのですが、そもそも物流に対する関心が低いため容器を改善して物流を効率化しようという発想に至らないのです。
仕事としてパッケージング設計が必要になることはわかってはいるものの、その仕事に会社の中のスーパーエリートをつけないということも会社内でパッケージングエンジニアリングが進歩しない要因と考えられます。
これも当たり前のことですが「製品設計」そのものに優秀な人材を充てる会社がほとんどです。どこの会社でも同じですが物流にはそれなりの人しかまわしません。
ここは欧米企業と異なるところで、まだまだ日本では物流の地位が低いことが否定できません。
しかし特に食料品の容器などは明らかに変わってきています。ビール瓶や缶の容器の肉厚を薄くするとともに軽量化することで物流効率を圧倒的に向上させている会社もあります。
消費者の使いやすさとコストを両立させるような調味料用容器も開発されています。つまりすでに包装機能の重要性に気づき、そこに力を入れている会社もあるのです。
ここまで来れば物流業務に対する人材の充て方も変わってくることでしょう。その会社の容器そのものがバリューになっているからです。
一般的に物流はコストと認識されます。しかし物流が付加価値を生むこともあり得るのです。その典型が包装機能でありそれを支えるのがパッケージングエンジニアリングなのです。
物流事業者にもこの包装機能の大切さについてもっと認識して欲しいと思います。物流事業者はパッケージングを荷主の仕事だと言い切ることがありますが、これは物流のプロとしてはいかがなものかと思います。
いかに保管効率が良くなるために包装をどの様にしたらよいのか、いかに輸送効率を向上させるためにはどうしたらよいのか、こういった観点でアドバイスができない物流事業者であれば物流のプロとは言えません。
顧客から頼られ、事業を拡大していく物流事業者はこの包装機能に着目し、的確な方策を立案して実現していかなければならないのです。
次回に続きます。
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