エンジニアリングとしての物流(5) 製品形状への要求

荷姿効率を向上するために製品の「組立工程の変更」を行うことはそれほど難しいことではありません。単にそういったことはできないことだ、と思い込んでいるだけです。

会社内でもこのようなことに否定的な意見はあると思います。しかし攻めの物流を実行するためには避けて通れない道です。ぜひ実施していきましょう。

それでは製品のあり方を検討する二つ目としての「製品の形状そのものに対する検討」について考えていきましょう。

最近では製品の一体成型が当たり前のようになってきました。これにより製品そのものの見栄えが良くなったり生産コストが安くついたりすることがあります。

しかし一方で製品が大きくなったり、運ぶ際にロスを生みやすい形状になっていたりすることがあります。このまま輸送することで物流コストが膨らむ可能性が出てくるのです。

もしこういった物流から見て「いやらしい形状」の製品があったとしたら、それに対して改善要望を出してもよいと思います。

次回のモデルからはこういった形状にして欲しいと要望を出していきましょう。その時に衝となるのが容器です。その容器に効率よく格納できる製品形状を考えていくのです。

もし製品を吊るして格納する場合にはその製品を掛ける突起を製品に付けてもらうこともあり得ます。こういった発想はなかなか浮かびづらいかもしれませんが、「物流を効率化するためには」という考えで思考を巡らせばよいのです。

この時ばかりは「物流最優先」で考えてもよいのではないでしょうか。その時には何度もお話させていただいておりますが「固定観念」を捨てることです。

こういったことを提案してもムダである、という考え方はあくまでもあなたの考えに過ぎないのです。とにかく柔軟な発想をすることを心がけることが大切です。

次回に続きます。


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