物流アウトソースを行った時に「こんなはずではなかった」という思いを持たれる荷主会社が多いようです。このような思いはどこから出てくるのでしょうか。
この思いのギャップの一つが前回お話させていただいた「仕様書」です。仕様書を作成せずに「多分物流会社は自分たちの考えている物流をやってくれるだろう」という勝手な思い込みを持つことは危険です。
仕様書を提示しなければ物流会社側でやり方を決めてしまいます。皆さんの思惑とは違った結果となることが大なのです。
それともう一つ「こんなはずではなかった」となる要因があります。それは物流会社の実力です。皆さんが物流会社は物流のプロだから、と思っていても、意外とそれほどでもないことにがっかりさせられることがあるのです。
そこで物流会社にアウトソースする前に実施しておきたいのが「物流会社の評価」です。この基準は荷主会社がパートナーにはこういったレベルであってほしいという思いに基づいて決定します。
評価項目はS(安全)、Q(品質)、D(納期)、C(コスト)、M(マネジメント)の5分野で設定していくのが良いでしょう。
安全では過去の構内事故や交通事故の件数、安全教育の実施回数などを項目として設定します。その項目に対して5段階または4段階でレベルがわかるように評価基準を設定します。
同様に品質では誤出荷率や輸送中のダメージ件数などを、デリバリーでは作業が予定時間通りできている比率、トラック出発や到着時刻の順守率を、コストでは年間改善件数やコスト削減率実績などを項目として設定します。
マネジメントでは教育訓練計画通りに人材育成をしているかどうか、SQDC各項目の実績管理を実施しているかどうかなどについて項目として設定していきましょう。
これら設定された項目を質問票にして物流会社に送付し、回答してもらいます。回答の際にはそのデータの裏付け資料を提出してもらうことで、その回答の正しさを担保するようにしましょう。
この物流会社評価は物流会社のレベルを把握することが第一の目的ですが、もう一つ、皆さんの会社が真剣にパートナーとなって欲しい物流会社を探しているという真剣度が相手に伝えるという目的があります。
次回に続きます。
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