荷主会社が物流業務をアウトソースする際にアウトソース先にやってほしい業務をはっきりと伝えることが重要になってきます。
実はアウトソースに失敗する会社の特徴として「物流仕様を明確に伝えなかった」ということが挙げられます。
荷主会社が陥りがちなことが「物流会社はプロなので詳しいことを伝えなくても大丈夫」だという思い込みです。
しかし皆さんの会社がやってほしいことを相手に伝えない限り、物流アウトソースは成功しません。この当たり前なことに気づかない荷主会社が多いことには驚きです。
そこでぜひ取り組んでいただきたいのが「物流仕様書」の作成です。どんな仕事を発注するのか、その仕事でアウトプットして欲しいことは何なのか、物流品質の基準はどのレベルなのか、などできるだけ詳細にまとめていきます。
もし仕様書に示していなかった仕事が発注後に発生したとしたらどうなるでしょうか。それは物流会社側から新たな見積もりが出てくることになると思われます。
そうなると発注時に決めていた価格よりも高くなるということになります。果たしてアウトソースした方が良かったのか、あるいは従来通り社内でやっていた方が良かったのか迷うごとになるでしょう。
この仕様書には作業手順、作業ごとの標準時間、物流品質基準、物流量、輸送の場合は輸送頻度、大体の積載率、高速道路の仕様の有無などを記載する必要があります。
さらに物流会社から改善提案が欲しい場合にはその旨を仕様書に記載します。そして契約期間中にはその改善提案を約束した分だけ提出してもらうようにします。
この改善提案を定期的に提出してもらえるようなアウトソースは成功の部類に入ると思います。結構重要なアイテムですから、入札時には忘れずに物流会社に依頼しましょう。
次回に続きます。
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