多くの荷主会社がアウトソースを行うことで自社の物流が良くなると思っています。たしかに十分に準備し、アウトソース先に仕事の内容と依頼したい事項が明確になっている場合には成功することもあるでしょう。
しかし単に物流がしっかりとできていないので専業者に任せれば改善するだろうという単純な発想では間違いなく失敗します。
このことに気づいていない荷主会社が多いので、アウトソース成功のための留意点について述べていきたいと思います。
そもそもなぜ物流業務をアウトソースしようとしているのでしょうか。その明確な理由を確認しておくことが重要です。
大半の会社が「コストダウン」を挙げています。ちょっと経済産業省の調査データを見てみましょう。
物流アウトソースのメリットは以下の通りです。
(1) コストの明確化ができた
(2) コストの削減ができた
(3) 物流改善・効率化ができた
やはり物流コストを何とかしたいという理由でアウトソースし、結果としてそれが達成できたという回答が上位を占めているようです。
一方でメリットが無かったという回答があることにも注目すべきであると思います。これはアウトソースに対する期待値とその結果のギャップが大きかったということを示しているものだと言えるでしょう。
アウトソースのメリットとともにデメリットも確認しておきましょう。
(1) 従来内部で実施していた業務が外部化されることから、業務内の機密やノウハウが漏えいすることへの懸念。
(2) 当該業務が外部化されるため、それを理解できるスタッフが社内にいなくなること(業務のブラックボックス化)への懸念。
(3) 導入部署での人員不足にともなうモラルの低下。
(4) きめ細い物流サービスが困難になるなどのサービス水準低下への懸念。
これが荷主会社が物流アウトソースしたときに感じたデメリットです。以上のようなメリットとデメリットを考慮の上、アウトソースの是非について検討していくことが必要なのです。
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