受注生産方式の場合にはお客様が発注されてから手元に届くまでが「発注リードタイム」ということになります。
たとえばオーダーメイドのスーツを発注した場合、それが手元に届くのが3日なのか、一週間なのかがお客様が気にするリードタイムだということになります。
どうしてもそのスーツが必要となる日に合わせて発注するでしょうから、それに間に合わないところには発注しないことになります。
ゴールデンウイークに家族旅行に出かけるために新車を購入する場合も同様です。そのタイミングまでに登録を含めて供給側で済ませられなければ受注にはつながりません。
供給側はものづくりのためのリードタイム短縮が求められます。と同時に調達リードタイムを短縮することも必要になります。
生地を調達し、ボタンを調達し、それを生産工程へと供給できなければスーツの仕立てはできません。お客様から注文がありそうな製品につかう材料をすべて保有できるのであれば問題ありませんが、それでは材料在庫がかなりの量となってしまい、現実的ではないかもしれません。
タイムリーに調達することもサプライチェーンマネジメントの重要ファクターになります。そのためには協力会社を育てるというプロセスが必要となるでしょう。
では誰がサプライチェーンをリードするのがふさわしいでしょうか。やはり一番はその製品をお客様に直接供給する立場の会社であると言えるでしょう。
通販会社やスーツの小売店、自動車販売会社など、お客様と直接やり取りできるところということになるでしょう。
ここで全体を見渡せる立場にある物流が噛みこんでいきたいものです。サプライチェーン全体のリーダーは最終ユーザーとやりとりする会社ですが、サプライチェーン上のさまざまな情報を入手できる物流はその参謀役になり得るはずです。
売れ筋商品や在庫の状況、メーカーの生産状況などを把握できる立場にある物流がぜひサプライチェーンの効率化と販売向上に寄与していきたいものです。
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